目に焼き付けても、人に伝えることは難しい。しかし、なんとかこの感情を持ち帰り、人々に伝えたい。仮に写真に写したとしても、この感覚まで写し出すことは絶対にできないだろう。潮の匂いや頬をよぎる風、遠くから聞こえる海鳥の鳴き声など、すべてを写して、持ち帰ることなど不可能なのだ。
すぐそこにあるにもかかわらず、掴むことなど到底及ばないもの、そこにあり自然の営みのなかで滔々と続いていくもの、これは人間には永遠に手に入れることのできないものである。
息子の心は一時、宇宙へ舞い上がった。私の心もまた、宇宙へ行くことができるのだろうか?
目に焼き付けても、人に伝えることは難しい。