2009年1月14日水曜日

絶壁

冷たい風のなか、絶壁に立つ。

生きていることを実感するためだ。

生きることは辛く苦しい、が、身をすくませるほどの風に吹かれると、生存本能が始動する。
もしここから落ちたら・・

生きることは湖にできた氷上を歩むようなものだ。一枚氷の下はあちらの世界を意味する。生きている限り、いつ逝くかはわからないのだから。とはいえ、決して逝きたい訳ではない。どちらかといえば、もっと世俗にまみれたいのだ。


ただ、世の中は疲れる。
疲れた心身はあちらの世界に晒してやることで蘇生する。だから、絶壁を覗くのだ。さらに強く逞しく生き抜きたいと願うから、身を乗り出して黄泉の国を垣間見る。