2008年12月11日木曜日

拙く淡い記憶-回想愚憚-其の弐

即座に実行に移された計画は、思いのほか巧く進んだ。

エントランスは誰に咎められることもなく、すんなり通ることができし、非常階段の位置も直ぐに把握することができた。ジャージ姿の中学生がふたり、ビジネスビルディングに入ったところで所詮、テナントビルであるため、忙しい大人たちには他社の人間ぐらいにか写らないものなのか。注意を受けるどころか、声ひとつかけられずに、非常階段の重い扉まで辿り着いた。

非常階段は静かなものだった。
自分たちの足音だけが微かに響いていった。

10階

13階

15階

16階

このビル、何階まであるんだっけっ?
腿、袋脛が早くも悲鳴をあげはじめた。

17階


17階1/2



18階




18階1/2




このビル、何階まであるんだっけっ?
脚が重くなり、遂に上がらなくなった。

・・・・・・・・・・ちょっと休もうか。
と、ふたりが同時に言った。